腎臓の組織学
腎臓は結合組織でおおわれている。
結合組織は主にIVコラーゲンと筋繊維芽細胞でできている。
腎臓は主に皮質と髄質に分けられる。皮質には腎皮膜、近位集合管、遠位集合管がある。
腎皮膜の間に見られる直線のような部分を髄質放射組織と呼び、皮質集合管でできている。
髄質にはヘンレループの上行部と下行部がある。両者とも太い管と細い管に分けられる。
集合管は皮質から髄質に見られ、乳頭突起までつながり、ろ過された尿が小腎盃、大腎盃、腎盤へと流れ、尿管につながり、膀胱で貯蔵される。
腎皮膜は糸球体毛細血管とボーマン嚢から成り立つ。糸球体毛細血管は輸入動脈から入り、輸出動脈へと出て腎動脈に戻る。
糸球体毛細血管は内皮細胞、基底膜、蛇足細胞の三つの層から成り立つ。
基底膜はさらに3層に分かれ、内皮細胞側からLamia rara interna, lamina densa, lamina rara externa という。
蛇足細胞の間はslit diaphragm とよばれ、小さい物質しか通れないようになっている。また基底膜は陰極をまとっているため、同じ陰極の物質(たんぱく質など)も通れないようになっている。
この陰極がなくなり、たんぱく質までもがろ過される疾患をネフローゼ症候群という。
メサンギウム細胞は糸球体基底膜におおわれている。おもな役割は貪食である。毛細血管外の部分はextramesangium cell という。
近位集合管は立体細胞でできている。細胞内極側には刷子縁が見られ、これが遠位集合管との大きな違いである。刷子縁は物質を効率よく再吸収する手助けをする。
ヘンレのループの太い管は近位集合管と同じく立体細胞でできてい。
細い管は扁平細胞でできている。下行部は水を再吸収するが、ナトリウムと塩素は再吸収されない。反対に上行部は水を再吸収しないが、ナトリウムと塩素は再吸収される。またカルシウムも再吸収する。
遠位集合管は立体細胞でできており、刷子縁はない。
遠位集合体の中でも輸入動脈と隣接していて、他の細胞よりも背の高い細胞がある。この特殊な細胞を密集班という。密集班はナトリウムと塩素の濃度を感知し、傍糸球体細胞の作用を制御する。
密集班、傍糸球体細胞、糸球体外メサンギウム細胞を合わせて傍糸球体装置を形成する。ここで血圧調整が行われ、血圧が一定以下になると密集班のシグナルで傍糸球体細胞からレニンが分泌され、レニンアンジオテンシン系により血圧が上昇する。
集合管は主細胞と間在細胞からなる。顕微鏡で観察すると、間在細胞の方が暗く見える。これは間在細胞の方がミトコンドリアが多く含まれているからである。主細胞は水の再吸収をするのに対し、間在細胞はH+を分泌し酸とアルカリの調節を行う。
尿管
上皮 移行細胞
musculosa 三層
Advantitia 外側の膜
脾臓の触診
脾臓は左上腹部の第9-11 肋間腔(intercostal space) にあります。胃の後ろに隠れています。
肋骨縁(costal margin) で触知できます。
主に脾臓肥大の有無を確認します。脾臓が肥大すると内側下縁が確認できます。
通常、脾臓は左側に位置しますが、肥大すると内側に肥大します。
方法
患者さんにリラックスした状態で両手は真横にあおむけになってもらいます。
右手は指を軽く曲げて右 腸骨窩 に置きます。
患者さんに深呼吸をしてもらい、吸気に合わせて左のほうに指をずらしながら脾臓の下縁を触知します。つぎに右側に寝てもらい、同じように 臍部から右肋骨縁下に向かって触診します。右横になることで重力で内側によるのでより正確に触知できます。
正常な脾臓
大きさ 1×3×5inch
重さ 7oz
(1,3,5,7,9,11と覚えましょう。1,3,5は脾臓のサイズ、7は重さ9,11は脾臓が位置する肋間腔です)
★参考画像★
クッシング反射(Cushing Reflex)
クッシング反射とは脳腫瘍や脳内出血が起きた時に起こる生理的反射である。
脳腫瘍などで脳内圧が上がると、血流が悪くなり脳に十分な酸素が送られなくなってしまう。
そのため脳動脈の血圧が上がり、脳内血流を保とうとする。
同時に大動脈圧受容体が血圧上昇のシグナルを受け、徐脈が起きる。
朝の頭痛はなぜ起こる?
朝起きた時に頭が痛いと感じたことありますか?
それはMorning headicheといい、朝起きた時に起こる反応です。
睡眠時は日中に比べ呼吸量が減り、二酸化炭素圧が上昇します。
そうすると脳の血管が拡張しその結果頭痛が起きます。
反対に血管が収縮すると頭痛はおさまります。
よく、カフェインを摂ると頭痛がおさまるといいますが、それはカフェインは血管収縮作用が含まれているためです。