ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群は糸球体のバリアが破壊され、たんぱく質などがろ過されて尿とともに排出されてしまう疾患である。
糸球体の構造
糸球体とは腎臓にある毛細血管の塊である。腎臓のネフロンと呼ばれる単位で構成されている。輸入動脈から血液が流れ込み、糸球体を通って 輸出動脈に出る。
糸球体は内皮細胞、基底膜、蛇足細胞の3つの層からできている。
蛇足細胞の間には隙間(slit diaphragm)があり、微小の分子が流れ込む。たんぱく質などの大きな分子は中に入れないようになっている。また負の電子を覆っているため、陰性でかつ大きい分子は入れない仕組みとなっている。
そのような構造のため、アルブミンなどのたんぱく質は通常排出されず、輸出動脈管を通り再び体内に流れる。
ネフローゼ症候群になると、アルブミンが排出されてしまうので、体内のアルブミンが減少する。そうするとコロイド浸透圧が減少し浮腫の原因になる。
また、傍糸球体装置が血流低下を感知し、レニンアンジオテンシン系が起動し、血圧が上昇する。それによりナトリウム再吸収量が増えるため、浮腫を助長する。
また低アルブミン血症により肝臓の働きが活性化するため、高脂質血症となり高血圧の原因となる。