腎臓の生理
腎臓の主な働きは体から作られた老廃物を排出することであるが、輸入動脈管から送られたうちの99パーセントは再吸収され、再び血液によって全身に送られる。
腎臓はネフロンという細長い管がたくさんならんでできている。
物質の再吸収、分泌、ろ過はすべてネフロンで行われる。
ネフロンは近位尿細管、ヘンレのループ、遠位尿細管と分かれている。
ボーマン嚢から出ている曲がった管を近位尿細管という。近位尿細管は皮質にあり、髄質に下がっていくにつれ、ヘンレのループとなる。
ヘンレのループは髄質深部でU字カーブを描き再び皮質側に伸びていく。
皮質側に戻った尿細管は再び曲線を描き、これを遠位尿細管という。最終的に集合管となり、髄質を通り小腎盃へと流れる。
電解質の再吸収と排出
ほとんどの電解質の再吸収は近位尿細管で行われる。
ナトリウムは全体の約70%がここで再吸収され、間質に戻る。
また薬やクレアチニンを分泌する。
糖尿病患者の尿にはブドウ糖がみられ、ネフローゼ症候群患者の尿にはアルブミンがみられる。また腎炎患者の尿にはヘモグロビンが検出される(いわゆる血尿である)。
ヘンレ下行部
水を再吸収し、ナトリウムなどの電解質は再吸収されないので高等張の尿が作られる。
ヘンレ上行部
ナトリウム、塩素、カリウムを再吸収し、水は再吸収されない。低等張の尿が作られる。
遠位集合管
全体の約25%のナトリウムと塩素を再吸収する。
集合管
残りの水やクレアチニンなどを再吸収する。
排出量は以下の公式で計算できる。
排出量=ろ過量ー再吸収量+分泌量